私たちの性格や行動には、自分でも気づいていない「隠れたパターン」や「深い動機」が潜んでいます。MBTI（Myers-Briggs Type Indicator）とエニアグラムは、そんな私たちの心の地図を描き、自分自身をより深く知るための2つの強力なツールです。それぞれ異なる視点から性格を分析するこれらの診断を組み合わせることで、日々の選択や人間関係、自己成長への道筋を明確にすることができます。
この記事では、MBTIとエニアグラムの基本的な違いと相関性を解説し、それをどのように日常生活で活用できるかをご紹介します。「自分を知る」という第一歩が、人生をより豊かに、心穏やかにする手助けとなるでしょう。診断結果をもとにした実践的なアドバイスやヒントもお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
1. MBTIとエニアグラムとは？違いと特徴を解説
MBTI（Myers-Briggs Type Indicator）とエニアグラムは、多くの人が信頼を寄せる性格診断ツールです。それぞれ異なる視点から性格を分析することで、日々の選択や人間関係、自己成長のヒントを得ることができます。
MBTIとは？ 行動認知スタイルを映し出す鏡
MBTI（Myers-Briggs Type Indicator）は、16の性格タイプに分類し、人がどのように物事を捉え、判断し、行動するかを明らかにする性格診断です。心理学者カール・ユングの理論を基に開発され、仕事やコミュニケーションの改善に役立つことでも広く知られています。
MBTIは以下の4つの指標を組み合わせて性格を特定します：
- 外向型（E）と内向型（I）: 他者との関わりを重視するか、自分の内面にエネルギーを向けるか。
- 感覚型（S）と直感型（N）: 現実的な情報を重視するか、可能性や概念を探るか。
- 思考型（T）と感情型（F）: 論理で判断するか、感情や価値観を重視するか。
- 判断型（J）と知覚型（P）: 計画的に進めるか、柔軟に対応するか。
例えば、INTJ（建築家タイプ）は、戦略的で独創的なプランナーとしての特性が際立つタイプ。一方、ENFP（活動家タイプ）は、好奇心旺盛で創造力に溢れた自由な性格が特徴です。
エニアグラムとは？ 心の奥深くにある動機を探る地図
エニアグラムは、9つの性格タイプに分類し、人の行動の背後にある「動機」や「恐れ」に焦点を当てた診断ツールです。自己成長や人間関係の改善を目的として、多くの心理学者やコーチが活用しています。（credit to: enneagram-personality.com）
9つのタイプの例：
- タイプ1（改革者）: 完璧主義で、自分や他者に厳しい。
- タイプ2（助ける人）: 他者を支えることで価値を見出す。
- タイプ3（達成者）: 目標達成に全力を尽くす。
- タイプ4（個性的な人）: 自己表現と感情を大切にする。
- タイプ5（観察者）: 知識と理解を追求する。
- タイプ6（忠実な人）: 安全と安心を求める。
- タイプ7（熱中する人）: 楽観的で多才、好奇心旺盛。
- タイプ8（挑戦者）: 強さと自己主張を重視する。
- タイプ9（平和をもたらす人）: 調和と安定を追求する。
エニアグラムの魅力は「なぜその行動を選ぶのか？」という問いに答え、内面の深い部分を理解する助けとなる点にあります。
MBTIとエニアグラムの違いを理解するための準備
MBTIが「行動と選択のスタイル」を映し出す鏡であるのに対し、エニアグラムは「その行動の背後にある動機」に光を当てます。これらを組み合わせて理解することで、自己理解がさらに深まるだけでなく、他者とのつながりを豊かにするヒントを得られるのです。
次は、それぞれの違いと、両者の相関性について詳しく見ていきましょう。
２. MBTIとエニアグラムの違い
MBTIとエニアグラムは、どちらも性格診断として非常に有用ですが、アプローチや焦点が大きく異なります。それはまるで、同じ山を違う道から登るようなもの。どちらの道を選ぶかによって、見えてくる景色が変わるのです。
| 特徴 | MBTI | エニアグラム |
| 焦点 | 行動と認知スタイル | 動機と感情 |
| 質問の主軸 | 「どのように行動するか？」 | 「なぜその行動を選ぶのか？」 |
| 目的 | 行動パターンの理解と活用 | 内面的な成長と人間関係の改善 |
| 適用分野 | 仕事・チームビルディング | 自己成長・対人関係 |
アプローチの違い: 外面的な行動 vs 内面的な動機
MBTIは、人の「行動や認知スタイル」を外面的に観察し、それを分類するツールです。
- 例えば、外向型（E）の人が「他者と関わることでエネルギーを得る」という具体的な行動傾向を明らかにします。
- 一方で、判断型（J）の人は「計画的に物事を進める」スタイルが特徴的です。
これにより、仕事の進め方やチーム内での役割を理解するのに役立ちます。
対して、エニアグラムは「行動の裏にある内面的な欲求や恐れ」に注目します。
- 例えば、タイプ2（助ける人）は「愛されたい」という深い欲求に突き動かされて他者を支える行動を取ります。
- タイプ6（忠実な人）は「不安や恐れから安心を求める」ことで、慎重な判断を下します。
エニアグラムは、こうした内面的な動機を理解し、自己成長や人間関係の改善に役立てるツールです。
使い分けのヒント: 目的に応じて選ぶ
どちらのツールも自己理解を深める力を持っていますが、その特性に応じて使い分けるのがおすすめです。
- MBTI:
職場やチームでの役割、仕事の進め方、人間関係のパターンを理解するのに最適です。
例: 「自分はリーダーとして計画を立てるのが得意なのか、それとも自由にアイディアを出す方が向いているのか？」 - エニアグラム:
自分の感情や内面の課題、対人関係の本質を探りたい場合に役立ちます。
例: 「自分がなぜ失敗を恐れるのか、その背景にある欲求や恐れを見つけて解決したい。」
3. MBTIとエニアグラムの相関性で見る新たな視点
MBTIとエニアグラムは異なるアプローチを持ちながらも、私たちの性格を深く理解するために補完的に活用できます。これら2つの診断を組み合わせると、自分の行動スタイルとその背後にある動機をより立体的に捉えることができます。ここでは、それぞれのタイプがどのように関連しているのかを具体的に探っていきましょう！
具体例で見るMBTIとエニアグラムの相関
以下は、MBTIの性格タイプとエニアグラムのタイプに見られる一般的な相関の例です。
- INTJ（建築家タイプ）とエニアグラムタイプ5（観察者）
INTJは戦略的で独立心が強く、長期的な視点で計画を立てることが得意です。この性質は、知識を求め、深い洞察力を持つタイプ5とよく一致します。 - ENFP（活動家タイプ）とエニアグラムタイプ7（熱中する人）
ENFPは好奇心旺盛で新しいアイデアを追い求める性格。自由と冒険を愛するタイプ7の楽観的な特性と重なる部分が多いです。 - ISFJ（擁護者タイプ）とエニアグラムタイプ2（助ける人）
ISFJは他者を思いやる気持ちが強く、対人関係において温かいサポートを提供します。この特徴は、自己犠牲的に他者を支えるタイプ2と似た傾向があります。
| エニアグラムタイプ | 関連するMBTIタイプの例 | 特徴 |
|---|---|---|
| タイプ1（改革者） | INTJ、ISTJ | 完璧主義、責任感が強い |
| タイプ2（助ける人） | ISFJ、ESFJ | 思いやり深い、支援的 |
| タイプ3（達成者） | ENTJ、ESTJ | 成果志向、効率性を追求 |
| タイプ4（個性的な人） | INFJ、INFP | 自己表現を重視、感情豊か |
| タイプ5（観察者） | INTJ、ISTP | 知識欲旺盛、分析的 |
| タイプ6（忠実な人） | ISFJ、ISTJ | 安全を重視、慎重 |
| タイプ7（熱中する人） | ENFP、ENTP | 楽観的、好奇心旺盛 |
| タイプ8（挑戦者） | ESTJ、ENTJ | 強さと自己主張を重視 |
| タイプ9（平和をもたらす人） | INFJ、ISFP | 調和を重視、落ち着きがある |
相関性を理解するためのポイント
相関は必ずしも一対一で対応するものではなく、同じMBTIタイプでもエニアグラムのタイプが異なる場合があります。
- 背景となる価値観の違い: 例えば、ENFPがタイプ7であれば冒険心が強く自由を追求しますが、タイプ4であれば自己表現や創造性をより重視する傾向があります。
- 相関を固定しない柔軟な視点: 診断結果は「傾向」を示すものであり、完全な一致を期待する必要はありません。どちらも自分を知るための補助ツールとして活用しましょう。
自己理解を深めるための実践例
- 両者の診断結果を比較する:
例えば、MBTIでENFP、エニアグラムでタイプ7と診断された場合、「自分が新しいことに挑戦するのはなぜか」という問いに対して「冒険心」と「自由への欲求」という異なる角度からの答えを得られます。 - 違いを探すことを恐れない:
診断結果が矛盾しているように感じても、それが自己探求の新たな視点となることがあります。例えば、「なぜENFPなのに慎重な面（タイプ6）があるのか？」と考えることで、自分の多面的な性格に気づけるかもしれません。
次のステップ：組み合わせて見える新たな視点
MBTIが「自分がどう行動するか」を明らかにし、エニアグラムが「なぜそう行動するのか」を紐解きます。これらを組み合わせることで、単なる診断結果以上の気づきが得られるでしょう。次章では、こうした理解をどのように日常生活で活用できるかを詳しく見ていきます。
4. MBTIとエニアグラムの実生活での活用法
MBTIとエニアグラムは、私たちの日常生活において自己理解や人間関係、そして成長のための具体的なヒントを与えてくれる強力なツールです。それぞれの特性を活かして、行動の傾向とその背景にある動機を深く理解することで、より豊かな生活を目指せます。以下に、実際にどのように活用できるのかを具体的なステップと例を交えてご紹介します。
1. 自己理解を深めるためのステップ
自己理解を深めるためには、以下のような段階的なプロセスを踏むと効果的です。
ステップ1: 自分のMBTIとエニアグラムタイプを診断する
- 診断ツールや専門家のサポートを利用して、自分のMBTIタイプ（16タイプのどれか）とエニアグラムタイプ（9タイプのどれか）を確認します。
- ポイント: 結果が分かったら、それぞれの解説をじっくり読み、自分が特に共感する部分や「これが自分だ」と感じる特徴をメモしておきましょう。
ステップ2: 行動と動機を結びつける
- 自分のMBTIタイプが示す行動傾向と、エニアグラムタイプが示す動機を関連付けて考えます。
例:- INFJ（洞察力が高い） × タイプ4（自己表現を重視）: 自分の洞察力や直感を活かし、独自のアイデアや創造的な活動を通じて価値を見出すことに満足感を得られます。
- ENFP（好奇心旺盛） × タイプ7（自由を求める）: さまざまな可能性を探り、新しい体験を楽しむ一方で、自由を保つための選択を重視します。
ステップ3: 自己反省の習慣を作る
- 自分の行動や感情を振り返る時間を持つことで、診断結果を実生活に活かすことができます。
アクション例:- 日記に「今日の行動とその背景にあった感情や動機」を簡単に記録する。
- 定期的に結果を見直し、自分の成長や変化を確認する。
ステップ4: 実験的に行動を変える
- 診断結果を基に、自分の特性を伸ばしたり弱点を補う行動を試してみます。
例:- ENFPの人が集中力を持続させるために、1日のタスクを小分けにしてタイムマネジメントを実践する。
- タイプ1の人が「完璧でなくても良い」と自分に許可を与えることで、気持ちを軽くする。
2. 人間関係の改善に役立てる
MBTIとエニアグラムは、自分だけでなく他者の性格や動機を理解するためにも役立ちます。相手のタイプに応じた対応を考えることで、より良いコミュニケーションが取れるようになります。
ステップ1: 相手のタイプを推測する
- MBTIやエニアグラムの特徴を基に、相手の行動や価値観を観察し、相手がどのタイプに近いかを想像してみましょう。
例:- 穏やかで調和を重視する人なら「タイプ9」に近いかもしれません。
- チームのまとめ役で論理的に物事を進める人なら「ENTJ」タイプの可能性があります。
ステップ2: 相手の価値観を尊重する
- 自分と相手の違いを受け入れ、相手が重視している価値観を認めるコミュニケーションを心がけます。
例:- ENTP × タイプ7の同僚: 新しいアイデアを共有するとき、自由に意見を交換する場を作りましょう。
- ISTJ × タイプ1の上司: 確実性を重視するタイプには、計画の具体性や段取りを明確に伝えます。
ステップ3: 対立を解消する工夫
- 対立が起こった場合、相手の動機や背景を理解することで解決の糸口が見つかります。
例:- タイプ6の友人が不安を感じているときは、明確な情報を提供し安心感を与えます。
- タイプ8のパートナーが強く主張しているときは、共感しつつ柔らかい態度で意見を述べます。
3. 自己成長とストレス対策
性格診断の結果を、日々の成長やストレス管理に活用する方法を考えましょう。
- 成長のための具体例:
- タイプ3（達成者）: 短期的な成功に固執せず、プロセスを楽しむ工夫を。
- タイプ9（平和をもたらす人）: 毎日1つ、チャレンジングな行動を選び、自己主張の練習をする。
- ストレス対策のアイデア:
- MBTIの内向型: 静かな時間を確保して、エネルギーを回復する。
- タイプ7: 楽しみを意識しつつも、日常のタスクを優先順位付けする。
4. 実生活で役立つアイデア
MBTIとエニアグラムを組み合わせることで、具体的な行動計画を立てられます。
- コミュニケーションを改善する:
MBTIタイプに応じて相手との対話を工夫する。
例:- 外向型: アイデアをその場で議論する時間を設ける。
- 内向型: メールやメモを活用して、情報を事前に共有する。
- 習慣を見直す:
タイプごとに自分に合った習慣を取り入れる。
例:- タイプ1: 完璧を求めすぎない「OKな基準」を設定する。
- タイプ4: 感情を記録することで、自己表現を深める。
5. 自分と他者を理解する第一歩
MBTIとエニアグラムを日常生活に取り入れることで、自己成長や人間関係の改善が目指せます。一度にすべてを実践する必要はありません。少しずつ行動に移し、自分に合った活用方法を見つけていきましょう！
次章では、MBTIとエニアグラムに関するよくある質問（FAQ）を通じて、さらなる活用のヒントをお届けします！
よくある質問（FAQ）
- MBTIとエニアグラムの違いは？
-
MBTIは行動や認知スタイルに焦点を当て、性格タイプを16に分類します。一方、エニアグラムは動機や恐れを基に性格を9タイプに分け、内面的な欲求を探ります。
- MBTIとエニアグラム、どちらを先に診断すべき？
-
MBTIを先に診断するのがおすすめです。行動パターンを理解した後で、エニアグラムを使ってその動機を深掘りすると、より立体的な自己理解が得られます。
- MBTIとエニアグラムの診断結果が矛盾した場合は？
-
矛盾ではなく異なる視点の反映と考えられます。MBTIが「行動」を、エニアグラムが「動機」を示すため、両方を補完的に捉えることで理解が深まります。
- 診断結果は変わることがありますか？
-
はい、特にMBTIはライフステージや経験に応じて変わることがあります。一方、エニアグラムは深層心理を扱うため、基本タイプは大きく変わりにくいですが、成長やストレスによる変化は見られることがあります。
まとめ
MBTIとエニアグラムは、それぞれ異なる視点から性格を探り、自己理解や成長を支えるツールです。MBTIは「行動スタイル」、エニアグラムは「動機」に焦点を当て、組み合わせることで多角的な自己理解が可能になります。自己成長、対人関係の改善、ストレス対策など、日常生活で幅広く活用できるため、まずは診断を試し、自分のタイプを見つけることから始めてみましょう。あなたの心豊かな生活を応援しています。